本文へスキップ

森に集い、森を育て、森で遊び・学ぶ 森会

油山の樹木ア・ラ・カルトjyumoku

油山の樹木ア・ラ・カルト(15)<2010年1月>

冬芽が面白い木

冬の油山、冬(ふゆ)()の合唱団で賑わっています。冬芽は、晩夏から秋にかけて、成長を続け春の芽吹きに備えます。冬姿の芽をよく観察すると、人間や動物の顔に見える部分がありますが、これは落葉後の形が、そのまま茎に残って葉(よう)(こん)となり、葉痕に様々な模様となって出ます。冬芽の観察によって、春に混(こん)()や花()()や葉芽(ようが)などが展開したとき、樹木に対する親しみがより湧いてくるでしょう。冬芽(トウガとも)は、樹木の枝先や葉(よう)(えき)に出現し、冬を越すための芽、すなわち越冬芽のことです。ソメイヨシノ、トチノキ、ヤブツバキなど多くの冬芽は鱗片(りんぺん)(よう)(芽()(りん))に包まれて、寒さからしっかり保護されていますが、ヤブムラサキやアカメガシワ、ニガキなどには、鱗片(りんぺん)(よう)がなく裸()()という裸の芽になっています。これらの芽が冬の寒さを凌ぐため、どんなマントをまとっているのか?雪を被ったシュート(枝や芽)をちょっと払って覗いてみましょう。 冬芽や葉痕や維管束痕などをワンセットで眺めると、そこには、ガングロねえちゃんムクノキ、お洒落な髪型ヤマフジ、ヒゲのおじさんエノキ、入れ歯を外したおばあちゃんハリエンジュ、森の時計台クサギ、なんか文句あっかモミジバフウ、でっかい顔したニワトコ、赤ら顔ボクサーのカナクギノキ、坊やのお顔が可愛いアオキ、…etc.冬芽や葉痕は小さいものが多いので、10倍程度のルーペを持ってウオッチングすると、冬の森歩きも10倍楽しくなること請け合いです。(安部泰男)

 
 
 
 
 

油山自然観察の森 森を育てる会

〒811-1355
福岡市南区大字桧原855-1

油山自然観察センター内

TEL 092-871-2112
FAX 092-801-8661
http://www.morikai.org/