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森に集い、森を育て、森で遊び・学ぶ 森会

油山の樹木ア・ラ・カルトjyumoku

油山の樹木ア・ラ・カルト(16)<20103月>

1年に2度美しい木

木々にとって優しい季節が巡ってきました。ひらいて、ひらいて、春の芽吹きは超一流のアーチスト! 固く結ばれていた冬芽が大きく膨んで、自然のエネルギーが一斉に漲ります。森の中でちょっと立ち止まってみませんか!? 静かに目を閉じることで、まわりから漂ってくる匂いや音など、森との命のつながりに気づかされます。3月から4月の陽気は気まぐれ、「春に3日の天気なし」の喩えのとおり、寒さと暖かさがせめぎ合いながら、春爛漫へと移ろっていきます。カブ森のコナラ(小楢)やクヌギ(椚・櫟)は、雑木林の両横綱と称され、ブナ科5属(全て雌雄同株)のコナラ属に属しています。特にコナラの開き始めの葉の表面は、密生した細長い白い毛に覆われて、太陽に輝いて銀色に見えます。それもつかの間、開くにつれて毛が落ちてしまうと、銀色から緑色に変化していきます。一方の横綱クヌギは、葉の展開と同時に開花しますが、いつまでも枯れた葉が付着しているのは何故なのか? カブ森への往復でよく目にするのが、アカメガシワ(赤芽柏・トウダイグサ科・雌雄異株)です。冬芽は薄い茶色で目立たないため、つい見過ごしてしまいがちですが、葉が展開するにつれて、恥じらうかのように赤い顔を覗かせます。これは葉そのものが赤いのではなく、葉の表面が赤い星状毛で覆われ、指で優しくこすると、鮮やかなグリーンが現れるからこれまた不思議。その他芽吹きの代表選手として、カエデ、ハナノキ、ヤマウルシ、コシアブラ、ハリギリ、ヤマザクラ等を挙げてみましたが、落葉樹は秋と春ダイナミックに 変化し、1年で2度美しい!(安部泰男)

 
 
 
 
 

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