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森に集い、森を育て、森で遊び・学ぶ 森会

油山の樹木ア・ラ・カルトjyumoku

油山の樹木ア・ラ・カルト(26)<2011年11月>

命を育てる木

実りの秋です。日本にはドングリの生る木、即ちブナ科の樹木22種類が存在します。そのうち12種が油山で確認されており、何れも秋になると沢山のドングリを落とし、生き物たちの大切な糧となります。中でも渋みのないコジイやマテバシイなどは、縄文人の貴重な食材でした。森の主役ドングリとは、トチグリ(橡栗)がドングリに転訛、または丸っこいイメージから団栗となったようです。ブナ科は全て雌雄同株で、ブナ属・クリ属・シイ属・コナラ属及びマテバシイ属の5属に別れ、落葉樹が9種、常緑樹が13種となっています。ドングリとは本来、コナラ属やマテバシイ属など、殻斗を有する果実のことですが、広くブナ科の果実をドングリと言っています。雌花は春に開花すると、受粉後にドングリへと成長し、秋に成熟するものを1年成、年を越して次の年の秋に成熟するものを2年成。カブ森のドングリはどちらもコナラ属で、コナラは1年成、クヌギは2年成です。1年成には、アラカシ、イチイガシ、カシワ、シラカシ、コナラ、クリ、ブナ、イヌブナ、ミズナラ、ナラガシワの10種があり、あとは2年成と言うことになります。但し、シリブカガシだけは、変わり者で秋に開花するため、今年の花と年を越して成熟したドングリが一緒についています。さて、もうかれこれ20数年前のこと、長者原から法華院への雨ケ池コースを単独行している時でした。静寂の森の中で「ポソッ、ポッソン」と落ち葉を叩く様な音が聞こえて来ました。そのうち私の帽子や山シャツにも、大きなミズナラのドングリが「コツン、コッツン」と降り注ぎ、暫しその場に立ち尽くしたことを思い出しました。(安部泰男)

 
 
 
 
 

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