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森に集い、森を育て、森で遊び・学ぶ 森会

油山の樹木ア・ラ・カルトjyumoku

油山の樹木ア・ラ・カルト(9)<2009年1月>

木偏を読む木

樹木名を漢字で称する場合、全部と言っていい程、木偏(へん)が入っています。そこで、木偏にfourseasonを書き込んでみました。先ずはこの時期、木偏に冬と書いて柊(ヒイラギ)です。葉に鋭い棘の鋸歯があり、触ると痛い「ひいらぐ(疼く、痛む)」ことから「ひいらぎ(疼木)」で「ヒイラギ」となります。節分の夜、この枝に鰯の頭を門戸に挿しておくと、棘と悪臭で悪鬼が退散することから、各家庭の玄関先などに厄除けとして植栽。樹木達が冬の眠りから覚める頃、初冬から春にかけて咲く、木偏に春の椿です。一般に椿といえば「藪椿」を指すようですが、園芸品種が極めて多い樹木の一つです。葉に艶があるから「艶葉木」、葉が厚いので「厚葉木」で、落下した花が刀の鍔(つば)に似て「鍔木」とは?油山の由来となっている椿は和名です。中国ではセンダン科の「チャンチン」を指し、漢名でのツバキは「山茶」と書きます。初夏に淡黄色の花をつける木、木偏に夏と書いて「榎」ですが、その由来は、鍬など農機具の柄の木。江戸時代に街道の一里塚の目印に植えられ、風合いが似ているケヤキの代用とされました。やがて実りの秋が到来すると、木偏に秋と書いて何という樹木名? 音読みでは「しゅう」ですが、訓読すると「ひさぎ」となって、科も属も異なるノウセンカズラ科の木豇豆(キササゲ)&トウダイグサ科の赤芽柏(アカメガシワ)を当てています。初夏に枝先に漏斗状の黄白色の花をつけ、秋に長さ35cm位の蒴果がササゲ豆に似ているから「キササゲ」で、新芽が赤い星状毛に覆われ、柏の葉と同じ様に、大きな葉を菜盛りの食器代わりに使った「アカメガシワ」が、それぞれの命名理由のようです。残念ながら油山には、「キササゲ」も同族の「アメリカキササゲ」も存在しません。(安部泰男)


 
 
 
 
 

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